高卒で就職した会社を3か月で退職、ひと夏遊んだ後は地元の測量会社でアルバイトした。
この測量会社は高校の2つ上の先輩が二人働いていて、すぐに馴染むことができた。
4か月ほど楽しく働かせてもらった。
そして翌年の1987年2月。
札幌でアパートを借り、一人暮らしの再スタートを切った。
ハイツ豊。木造2階建ての6畳ワンルーム。
偶然、同じアパートに高校のクラスメートのシゲが住んでいた。
高校時代は同じクラスでありながらほとんど会話という会話をしたことがなかったが、ここから長い付き合いが始まることになった。
アパートの近く、裏参道の『清三郎の店』という喫茶店をシゲに紹介してもらってからは、毎日のようにそこに通った。
美大出のマスターが陶芸教室をしながらやっている喫茶店で、近くの医大生や、裏参道商店街で働く人たちが来ていた。
客の中では一番下の部類に入る年齢だった俺は、マスターの清さんや、大学生、社会人の客たちにかわいがってもらい、すぐに札幌に馴染むことができた。
当面の仕事として、部屋から徒歩20分くらいの土木設計の会社でアルバイトを始めた。
社長、次長、と社員2人。あとはアルバイト3~4人の小さい会社だ。
経理の社員は5つ年上の女性だった・・・
※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい半分くらいが真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。人物はほぼだいたいが仮名です。
別れ上手と思われて
後腐れがなくて捨てやすいと思われている男が本当の愛を求めてさまよい続ける物語。