キャプロア7

キャプロア出版という電子書籍出版グループで出会った7人のメンバーでなんか書きます。

役に立つような、立たないような、なんてことないことを書いていく日々。

後から湧いてくる感情  駅番外編03

そうか。

不思議と怒りとか、がっかりとか悲しいとかの感情はなかった。

ほんの少し残念な気はするけれど。

俺は女性から見ると、後腐れがなくあっさりしていて別れやすいのだろうか。

7~8年前に別れた彼女のマミのことを思い出した。

あの時は、別れてすぐは何も思わなかったけど、数日後からどんどん失ったものの大きさに気づいたというか、すごく落ち込んだっけな。

マミもマミで、バーをやってる俺の店に、見せつけるように次々と男を連れてくるんだよな。

今でもマミのことを思い出すと、胃の辺りがズシンと重くなる。

マサコは、俺に彼氏を見せつけるとかそんなことはしないだろうけど。

 

俺はマサコにメールの返信をした。

『気にしないで。マサコと少しでも一緒にいられたことをとてもうれしく思います。マサコの思うように、好きな人と一緒にいてください』

知らなかったこととはいえ、彼氏にも悪いことをしてしまったな。

少しの罪悪感を、缶ビールで一気に胃に流し込んだ。

すきっ腹にアルコールが浸みて、軽い酔いがすぐに全身を支配する。

携帯が震えた。

マサコから返信かな。

もう温まった指でメールを開く。

ん、サトウさんからだ。

サトウさんは同じクラスでパソコン講座を受けている、俺より3つ年下の男だ。すらっと背が高く育ちの良さそうな顔をしている。実際に実家は道東にある都市のそこそこの資産家らしい。

 

『ユウさん、マサコがお世話になりました。マサコは今、俺の部屋にいます。ユウさんみたいな最低な人には渡しません。マサコも俺の方がずっといいと言っています。二度とマサコに連絡しないでください』

 

 

たぶん続くんじゃないかな。

 

※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい半分くらいが真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。人物はほぼだいたいが仮名です。

 

週刊キャプロア出版 第36号は、ゆーが編集長しました。

テーマは『駅』

週刊キャプロア出版(第36号):駅

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