サトウさんは、マサコが最初に俺の部屋に来た時のことをどういうきっかけで知ったのだろうか。
普通に考えたら、自分から喋らない限りわかりようがないはずだ。
マサコに聞くとこういうことだった。
俺の部屋に来る直前に寄ったローソンでの電話は、サトウさんからだったらしい。
その時間にコンビニにいること自体が普段とは違う行動なうえに、店内音楽が聞こえたらしく、そのコンビニがローソンとわかったようだ。
マサコの部屋の最寄りのコンビニはセイコマだ。
サトウさんは、そこを問い詰めたようだ。
「私、問い詰められたら解放されたくて、全部喋ってしまうの」
あはは。そうか、問い詰められたら喋ってしまうのか。
いやいやいや、マジか。
ということはだ。
サトウさんは今日も俺の部屋にいると疑っているのだから、次にマサコに会った時は必ず問い詰めるだろう。
そしてマサコは全部正直に喋ってしまうのだろう。
バレバレじゃん。
もうコソコソするのも面倒くさいし、今日のこともどうせバレてしまうのだから、一度サトウさんと話さなくてはいけないかな。
なんとなく客観的には二股をかけられていて、深刻な状況ではあると思うんだけど、問い詰められたら全部喋ってしまうというマサコのことが、すっかりツボに入ってしまって面白くて仕方がなかった。
たぶん続くんじゃないかな。
※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい半分くらいが真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。人物はほぼだいたいが仮名です。
週刊キャプロア出版 第36号は、ゆーが編集長しました。
テーマは『駅』