キャプロア7

キャプロア出版という電子書籍出版グループで出会った7人のメンバーでなんか書きます。

役に立つような、立たないような、なんてことないことを書いていく日々。

すべて吐き出した結果 駅番外編08

サトウさんとの話し合いは、次の週末になった。

それまでの間、学校で顔を合わせるけど、お互い何も言わずに普通に過ごした。

心穏やかではないはずなのに、大人だな。

そこもサトウさんを見直す一つの要因だった。

今回のことは一通り正直に話して、俺は降りることにしよう。

そう思っていた。

 

土曜日の午後、札幌駅構内のドーナツショップで待ち合わせをした。

先に着いた俺がカフェオレを飲んでいると、間もなくサトウさんが到着した。

最初にマサコが俺の部屋に来た日の顛末を話す。

あの日、マサコは何の抵抗もなく俺の部屋に来て、何の抵抗もなく俺に抱かれた。

サトウさんは、クリスマスにかなり値の張るプレゼントをしていたようで、その直後にこれかと、かなりがっかりしていた。

その後、俺はマサコの部屋に泊まったりもしていたことを話すと、そのことは知らなかった。サトウさんは、マサコの部屋に行くことを許されていなかったと言い、そこでもかなり打ちのめされていた。

もう同情しかない。

どうやらマサコは、問い詰められたら喋ってしまうけど、聞かれていないことは話していないようだ。

余計なこと言っちゃったかなと思ったけど、もう全部話した方がよさそうだ。

 

そこにマサコも到着して、なんだか妙な雰囲気になる。

この時点で既に誰も怒りの感情は持っていなかったし、むしろ和やかというか、3人家族みたいになっている。

サトウさんが、俺の言ったことをマサコに再度確認して、マサコも否定しない。

すっかり話し疲れて面倒くさくなっていた俺は、この関係から降りることを伝える。

「最初は知らなかったこととはいえ、申し訳ないことをしちゃったと思ってる。この先のことはまったく考えられないので、俺はここで降りるね。後のことは二人で話し合ってよ」

「いやいや、ユウさん、ちょっと待って」

「んっ」

もっと丁寧に謝って欲しいのか、それとも何か要求されるのか、俺はどんな顔をすればいいのかわからなかった。

「せっかくだから、このまま3人で続けましょう」

もう何がせっかくなのかがわからない。サトウさんからの予想もしない提案に、俺は思考停止状態になって、答えを出すことができなかった。

 

 

もうちょっと続くんじゃないかな。

※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい半分くらいが真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。人物はほぼだいたいが仮名です。

 

週刊キャプロア出版 第36号は、ゆーが編集長しました。

テーマは『駅』

週刊キャプロア出版(第36号):駅

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