文字数めっちゃ多いけど何故か夢中になって読んでしまう旅の記事なんかが面白くて、patoさんには注目していたのだけれど。
そのpatoさんの小説が出た!
小説というと、一般的にはハラハラドキドキさせながらの伏線回収が面白いものだけど、 この人の小説は文章表現そのものも面白い。
読み始めから、世にも奇妙な・・・を見ているような不思議な感覚になりながらも、一つ一つのエピソードが少しずつ一体となっていく。
ネタバレしないように説明するのは難しいけども。
この小説は、おっさんにまつわる話を「男」がデリヘル嬢のカエデに話し、カエデから感想を聞く形式で進行する。
このおっさんにまつわる話が、なんとなくどこかで見たこと、聞いたことがありそうなリアリティを持ちながらも、絶妙に笑わせてくれる。
ちょっとした山の中や、草むらに何故か捨てられていたエロ本。
固定電話の時代に社会問題にもなったダイヤルQ2。
この頃、知らない人も増えてきたビフォーインターネットの時代の悲哀の表現が素晴らしい。
アフターインターネット時代の初期の頃のエピソードも懐かしくて笑える。
特にこれといって悪いこと何もしてないのに憎まれる、大多数の“おっさん”の哀しみを自分に照らし合わせながら読む。
そうなんだ。おっさんは二度死ぬんだ。自分はもう一度目の死を迎えているのだろうか?他人から見ればとっくに死んでいるのに、自分だけはそれを認められずにまだあがいているのか。
普通に読んでも面白いし、文章を書く人はカタにハマり過ぎた自分の文章を見つめ直せるかもしれない。
私の参加している電子書籍出版グループのキャプロア出版のエース、きゃっぷさんの文章にも少し似たところを感じる。
伝説のテキストサイト「Numeri」管理人・patoが、日刊SPA! 連載「おっさんは二度死ぬ」のエッセンスをもとに、過去の発表作に大幅な書き下ろしを加えた待望の処女作。「日本一おっさんについての文章を書いている」筆者が満を持して世に放つ、おっさんの生と死、そして再生の物語。
その日刊SPA! 連載版の「おっさんは二度死ぬ」の中から、ゆーが選んだ面白かった記事です。
<2019.12.20 追記>
patoさんのnoteに書いた記事が人気ですね。ブクマ数がすごい!
’89 牧瀬里穂のJR東海クリスマスエクスプレスのCMが良すぎて書き殴ってしまった
昔のCM動画1本で、ここまで書けるのか!?というね。
この時代に生きた人はけっこう覚えているCMだと思われるので、反響もすごいことに。
今までも知っている人は知っているというくらいに、特に文章を書く人には有名なpatoさんだけど、これで一気に、さらにメジャーな人になるのではないかと思う。