週刊キャプロア第40号『聞こえる』と、週刊キャプロア第42号『神頼み』に掲載する小説を執筆中。
『神様の声が聞こえる(仮)』
40号に前半を掲載して、42号に全編一挙掲載にしようかなと。
一部公開します。
ん、誰だこんなところにパンダのぬいぐるみを入れたのは。
冷蔵庫には手のひらくらいの小さなパンダのぬいぐるみが背中を向けてちょこんと入っていた。つかんで取りだしてみる。
「うわっ」
そのパンダは口から血を流していた。
(キモッ)
僕は瞬間的に心の中で思った。なのに。
「キモッってなんやねん。失礼ちゃうか」
男の低い声が聞こえた。僕はキッチンを見回した。誰もいない。
「俺や、お前が手に持ってるパンダが喋ってるんやで」
「ま、マジで。新種のスマートスピーカーかなんかかな」
「ちゃうわ、アホ。俺は神様や」
「か、神様?神様って大阪弁喋るの?なんか象の小説とかパクってない?」
「大阪弁と標準語の登場人物にすると、どっちが喋ってるか読者にわかりやすいんや。話し方を変えるのは作家のテクニックやで。象の小説は読んだことあるんやな。なら話は早いわ」
「読者って何なの?意味がわからないよ。でも僕が手に持っている口から血を流したパンダは神様ってことなんだね」
あー。5000文字くらいになりそう。間に合うかな(笑)
がんばります。