飲み会では、意識してマサコから離れて位置するようにしていた。
俺は酔い過ぎてマサコへ感情的なことを言ったり、関係がみんなにバレたりしないようにと、チビチビとビールを飲む。
話題豊富なオガタくんが場を盛り上げてくれるので全体の雰囲気はとても楽しい。
マサコに対する思いもあるけど、サトウさんのいない隙に口説いたりするのはやってはいけないと思っていた。
サトウさんに、腹の立つことは言われたけど、だからといって、人の彼女を横取りしていいものではない。
23時を過ぎて、まだみんなはワイワイと楽しそうだけど、俺は先に帰ることにした。
氷点下の冷たい空気で酔いを醒ましながら地上を歩いて大通駅に行って地下鉄に乗った。
地下鉄の車内で携帯が震えた。
マサコからのメールだ。
『どこにいるの?』
『もう地下鉄に乗っちゃったよ』
『少しは話したかったのに』
『まだ地下鉄あるからうちに来る?』
『行きます』
マジか。来るのか。
俺は先に着いた南郷7丁目駅でマサコを待った。
サトウさんのいない隙に口説いたりするのはやってはいけないと思っていた。
サトウさんに、腹の立つことは言われたけど、だからといって、人の彼女を横取りしていいものではない。
しかし、マサコは俺の横で寝ていた。
これは夢なのかな。もしかしたら夢なのかもしれない。
俺の携帯が鳴る。電話だ。誰だ。今3時だぞ。
「はい」
「ユウさん、サトウです。マサコを出してください」
俺は一瞬で目が覚めた。
隣を見る。マサコがいる。
夢じゃない。
たぶん続くんじゃないかな。
※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい半分くらいが真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。人物はほぼだいたいが仮名です。
週刊キャプロア出版 第36号は、ゆーが編集長しました。
テーマは『駅』