キャプロア7

キャプロア出版という電子書籍出版グループで出会った7人のメンバーでなんか書きます。

役に立つような、立たないような、なんてことないことを書いていく日々。

納豆弁当で泣いた俺

『納豆』

週刊キャプロア第70号のテーマだそうだ。

そう、70号で七十(なっとう)だ。

納豆について、ネットで検索してわかることを書いても仕方がないので、各自、納豆についての思い出などを書くのであろうか?

 

子供の頃から納豆を食べていた俺は、まったく抵抗が無いのだけれど、関西方面出身の人は納豆が苦手なのだそうである。

まあ、好き嫌いは誰でもあるよね。

 

納豆は独特の発酵臭と糸を引く粘り気から、食べられる人の間でも人前では「いやーっ」っとなったりするものだ。

自宅で食べたり、外食であれば定食屋で一人で食べたりすることが多いと思う。

彼氏彼女の関係なら、間違いなくかなり親密になってから食べるものであろう。

そう、納豆はどちらかというと人目を忍んで食べるものなのだ。

それは俺自身も、かなり子供の頃から意識していたと思う。

 

俺が通っていた幼稚園はお弁当持参で、当時はお弁当の時間は楽しみだった記憶がある。

「おーべんと、おーべんと、うれしーな。なんでもたべますよくかんで」と歌った後に「いただきます」と言って食べていたこともよく覚えている。

そんなある日、同じクラスの男の子のお弁当箱に納豆が入っていたのだ。

園児たちの間でも、納豆はなんとなく恥ずかしい食べ物という意識が間違いなく共有されていたと思う。

女の子が「〇〇くんのおべんとう、なっとうがはいってるー!」と大きな声を上げた。

その男の子のお弁当をみんなで覗き込む。

みんな、納豆を知っているということは間違いなく各家庭では食べているもののはずである。

なのに、お弁当に納豆は珍しいというか、衝撃を受けたのだ。

キャーキャーと騒がしくなったクラスの中で、男の子はまったく動じずに納豆弁当を食べていた。

 

俺は自宅に帰ってから母に勢いよくお弁当に納豆が入っていた子のことを話した。

母は、俺のお弁当にも納豆を入れて欲しいのだと勘違いした。

翌日、お弁当箱を開けたとたん、隣の女の子が声を上げた。

「ゆーくんのおべんとうにもなっとうがはいっているー」

俺は恥ずかしくなって泣いた・・・

 

なんだか50年近く前のことなのに、お弁当に納豆が入っていた男の子の顔は今でも鮮明に思い出せる。名前は忘れちゃったけど、当時の男の子にしては長い髪、色黒で二重のパッチリした目。

君の(母の)せいで、俺の母親もお弁当に納豆を入れるようになってしまったのだよ。

 

んー、これはコラムになるのかエッセイになるのか?

よくわからんけど、70号はこれをベースに考えよう。